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嘉麻市・山田「弥栄神楽」_今を生きる人のための新しい「伝統」を。そのために「信じて、任せる」

2023.11.11

射手引神社を拠点に、様々なイベントを開催してきた桒野さん。「神社だからこそできるイベント」を模索する中で生まれたのが、この「弥栄神楽座」だ。来年の公演で設立から10年。毎年5月、主に射手引神社の境内での公演がメインだが、お呼ばれすれば出張公演も行っている。



元々あるものを継承、アップデートした創作神楽などはあるものの、ノウハウなど何も無い状態から作られた神楽は全国的にも珍しい。まずは舞踊家・緒方祐香さんに作りたいものの雰囲気・本筋を伝えるところから始まり、流れが決まってきたら次は楽曲・衣装制作へ。「僕はうまく言葉にしたりはできなくて…(笑)『こんな感じ…』とイメージを伝えても、どういうこと? って突っ込まれたりすることが多いんですけど、みんなわからないなりに勉強したりしながらそれぞれ作ってます」大元の話の軸やモチーフの案などは最初に出すものの、あとは「任せる」、それが桒野さんのスタイル。「なんもかんも決めてしまわずに、それぞれに分担してあとは信じて任せる。その感じが山田では意外と機能してる気がするんですよね」



毎年新作を作り続けていた時期もあったり、前回は「装置を使いたい」とのことから口や目が細かく動く「長鳴鳥」が登場するなど年々パワーアップ。「今までの神楽にはないものを作ろうと思って。でも不安になる時もあります。長い歴史を持つ神楽ですからね。でもそんな勢いで作る方が面白いなと。案外昔の人達もそんな感じで作ってたのかもしれないと思ったり…」ゼロベースから生まれた神楽。年々アップデートされながら独自のノウハウを構築、新たな伝統へとなりつつあった。


 

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スーパー・ハッピー・フラワー

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