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飯塚市・吉原町「HULOT」_「まちに音と文化を灯し続ける交差点」

2024.01.18

「吉原=音楽の街」を語る上でまず欠かせないのがライブバー〈ユロ〉だ。同じく吉原町のセントラルビルで「音楽好きが集い、ライブも開催されるたこ焼き屋さん」として11年親しまれ、一昨年にこの場所へ移転。ここは以前ダイナー〈スクランブル〉で、その前は〈スミスランディング〉というカントリー音楽をこよなく愛するオーナー達によるライブバーだった。


昨年12月半ばに開催された「アルヒオンガク-春待ち-」の一幕。札幌、佐賀、福岡から3人のシンガーソングライターが集った。


この場所が紡いできた歴史を、天井のポスター類が物語っている。


壁面は筑豊にゆかりのあるアーティストの作品が並ぶギャラリーとしても機能。


「70代の方からすると『当時に戻ったようで懐かしい』と言っていただきます。ひとつ前の〈スクランブル〉をやっていた店主・多田さんとも交流があり〈スミスランディング〉時代のポスターを大事に保管してくれていたり、丁寧に繋がれてきたバトンを受け取ったような感覚です」と店主の渡辺さん。


底抜けに優しく、音楽への造詣が深い渡辺敦さん。

〈ユロ〉の店内では頻繁にライブが行われ、弾き語りからロックバンド、DJイベントなどジャンルの偏りが一切なく、その背景には渡辺さんの豊かな音楽遍歴がある。「父と叔父がおもちゃの中身を作る会社をしていて、その頃の音がなるおもちゃには小さなレコードが内蔵されていたりして、家にも機材や楽器がたくさんありました」。

物心ついた頃から音楽に夢中になり、クラシックやラテン、高校時代にはロック、大学ではジャズと多様なジャンルに触れ、雑貨店勤務を経て最初期の〈ユロ〉は雑貨屋として開業。近所の学生たちのニーズに応えるべくたこ焼き屋さんになり、ついに音楽がお店の主軸になった。「生身の音楽にしかない素晴らしいものがあって、それを体感できる身近な場で有り続けたいです」。


飯塚市吉原町10-8
0948-33-9325
20:00〜2:00 ※変動あり
不定休
Instagram@hulot11

この記事を書いた人

ババケンタ

チクスキ(推定)4代目編集長です。田川・猪国に暮らしています。長崎〜北九州〜岡山〜東京を経て田川に移住しました。学生時代は小倉競馬場がキャンパスの眼の前にあったにも関わらず、公営ギャンブルの類には一切手を出さなかったという強靭なメンタルを持ち合わせています。

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