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田川郡・糸田町「無双窯元」_もっと話したい、通いたい、弟子入りしたい。

2024.02.18

この日の取材時間は2時間。それでも足りないくらい話が面白くて、楽しくて、居心地が良い。陶芸とは縁が薄かった筆者も、帰る頃には弟子入りしたくなってしまったのがここ、「無双窯元」だ。



陶芸家・長末修次さんは、生まれも育ちも糸田町。修行を重ね独立したのち、この場所で窯を開いてから21年。陶芸歴は50年になる。「家は別の場所にあるけど、ここで過ごすことが多いね。起きたいときに起きて、陶芸して、寝たくなったら寝る。陶芸教室をやったり、たまに蕎麦作ることもあったりね。ここは自然に囲まれて気持ちいいし、ずっとおっても飽きんよ」40代の頃には、毎年アメリカで個展を開き好評を得ていたという長末さん。しかし、「アメリカで有名になっても地元で知られてなきゃしょうがない」と、地元での活動を大切にするようになった。今では糸田町の「しんかい」など、筑豊の様々な飲食店で無双窯元の器が使われている。


親指にフィットする取っ手に、口元に馴染むよう僅かにカーブした縁。使う人のことを考え、細部にまでこだわりが詰まったマグカップ。2,000円〜

この日工房に来ていた弟子の山口保恵さんは、もともと無双窯元の器のファン。「しんかいに行ったとき、この器いいよねって話しよったら、家からすぐ近くの窯元って知って。こんなに近くにおったのにずっと知らんかったのが悔しくて! 次の日には門を叩きました(笑)」


14年前に弟子入りした山口さん。6年前に独立し、糸田町で「器家EMU」を立ち上げ活躍している。

長末さんの創り出す器は型にとらわれない創作陶芸で、軽く、手にスッと馴染むような〝使いやすさ〟が特徴。マットな質感のマグカップ、鮮やかな色使いの酒器、グラデーションの美しい茶碗、波模様の入ったお皿…常に新しい技法を取り入れた個性様々な作品の中に、きっとお気に入りが見つかるはず。




「全部手で創るけ、同じものは2つできんやろ?それで『無双』って名前なんよ」50年この道を極める長末さん。70歳とはとても思えないほどハツラツとして、パワーに圧倒された。



茶碗やマグカップなど、自分オリジナルの作品をつくる陶芸体験も。手ぶらでOKで、丁寧に教えてくれるから初めてでも安心。土に触れて、電動ろくろを回しながら形を整えていく作業は心が落ち着き、もっといろんな器を作ってみたくなる…!
料金 1人 3,000円 電話にて1週間前までに予約 (受付 10:00〜15:00) 約1ヶ月で完成、郵送可



「陶芸と似てるところがある」と、そば打ちもこなす長末さん。香り高い蕎麦と手作りおかずを、器も一緒に愉しんで。2,000円〜(土日のみ、要予約) ●そば打ち体験も!1人3,000円(要問合せ)

田川郡糸田町西部1500-47
090-8416-2185
9:00〜17:00
不定休
訪れる際は事前電話がおすすめ

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mina

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