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DOCTORS INTERVIEW VOL.150

2023.12.10

■ 総合せき損センターとは?

当センターの開設目的は、「せき損センター」の名のとおり脊髄損傷患者さんのための病院でした。 昭和50年代当時、日本の脊髄損傷患者さんの社会復帰は欧米諸国に比べて立ち遅れていました。「総合せき損センター」は、当時の九州大学の教授であった天児先生が国に働きかけ、受傷から社会復帰まで一環した治療を行う専門病院として開院。現在は、脊髄損傷患者さんの受入れは当然のことながら、ヘルニアや腰椎すべり症などの変性疾患も積極的に取り扱っており、年間800例を超える手術を行っています。この手術数は全国でもトップクラスの件数であり、脊椎・脊髄疾患全般を診療する病院として、国内外に広く知られる存在となりました。2019年より、県内初となるO-arm術中イメージングシステムを導入し、側弯症など難易度の高い手術でも安全・確実に行えるようになっています。

■ 重症患者しか受診できないの?

主に専門性の高い症例を扱っているので、重症の状態でないと受診できないと思われがちですが、当院は軽症の患者さんでも気軽に受診することができます。なかには、「紹介状がないと受診できないんでしょうか?」といったご相談も多く頂きますが、紹介状がなくても大丈夫です。首や腰が痛い、神経痛や坐骨神経痛など、脊髄に関するどんなに小さな症例でも身体に不調を感じたら一度ご相談下さい。専門分野に特化したベテラン医師が揃っているので安心して治療ができます。既に他院で治療を行っている方は、当院を受診する際に、これまでの治療についての紹介状やレントゲンなどをお持ち頂けると、よりスムーズな診断と適切な検査が行えるので、余分な身体的・金銭的負担をかけることがありません。

■ 特徴的な泌尿器科診療

総合せき損センターの医師は、大半が整形外科医ですが、泌尿器科の医師も常勤し、入院患者さんや脊髄損傷に伴う排尿、排便障がいを持つ患者さんの高度な専門的診療を行っております。前立腺肥大などの【一般泌尿器科】の診療も積極的に行っており、また女性医師がいるメリットを生かして【女性泌尿器科外来】を開設していることも特徴と言えるでしょう。 女性泌尿器科外来は、多くの方に喜んで頂き女性医師の重要性を感じています。泌尿器科は、女性が受診しづらいと感じる診療科の一つです。しかし、排尿に関する異常を感じる女性は少なくはありません。当院では、女性に寄り添った診療を行っていますので、悩みを抱えながらも受診をためらっている方は、一人で悩まずにお気軽にご相談ください。

■ 心がけていること

当センターに常勤する医師は全員、専門性の高い脊椎・脊髄外科医、泌尿器科外科医であり、脊椎・脊髄疾患や泌尿器科疾患に対する外科的治療においては常に日本の最先端を目指しております。但し、外科的治療のみが診療の全てではありません。 「受診してよかったと思われる病院でありたい」を病院のモットーとして、入院され手術を受けられる患者さんはもちろんのこと、外来を訪れた全ての患者さんに対して「受診してよかった」と思われるように心がけております。外来患者さんの中にはどうしても有効な治療法が見つからなかったり、あるいは病気の原因さえもはっきりとしない方がまれにおられます。このような患者さんに対しても、患者さんに寄り添いながら丁寧でわかり易い説明をすることで、せき損センターを受診した意義を感じられるようにしたいと思っています。
 

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