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田川郡・糸田町「筑豊極ホルモン しんかい」_「時を越えて胃袋を掴む、郷土料理の極み。」

2024.02.11

「ホルモン鍋とモツ鍋って、言い方の違いじゃないんですか?」純粋な疑問を呟いたつもりがそんなことも知らないのかというレベルの常識だったようで、編集部内で普通に注意されてしまった。今回糸田を取材でまわる中でもよく名前が上がった「しんかい」。10年以上食肉小売や卸売業、寿司や焼肉などの飲食店で働き、平成9年から地元である糸田にお店を開いたオーナー・松岡さんにホルモン鍋の極意を聞く。



「モツ鍋との違いはスープを一切使わないこと。たっぷりの野菜とタレが絡んだホルモンのみを焼き、くったり煮込まれたところをいただくのがホルモン鍋。糸田、田川の人はみんな味の濃いものが好きですね」ホルモン鍋を元祖とし、スープで割って生まれたものがモツ鍋と言われているくらい長い歴史を持ち、かつて炭鉱で働く人々のスタミナとして血となり肉となってきた味は、今や郷土料理となって愛され続けている。



「ホルモン鉄板」という名前でメニューにある、しんかいのホルモン鍋。厚さ9ミリの鉄板は具材が焦げ付かないよう、鉄の予熱でじっくり温めることができる特注のもの。松岡さん独自のルートで仕入れた新鮮な黒毛和牛のホルモンを噛みしめる度に緩む頬と高まってゆく幸福感。その旨味はさっきまで何も知らなかった自分を恥じてしまうほどであった。


「とにかく具材の山が下がってくるまで触らないこと!」と松岡さん。すき焼きみたいに卵の黄身にくぐらせて食べるのもオツな食べ方なんだとか。「産地証明」できる新鮮な黒毛和牛小腸のみを使用。プリプリのホルモンはたくさん食べても不思議なくらい胃もたれしない。



「〆のちゃんぽん麺もホルモン鉄板に一番合うように作った特製のものなんです」これでもかと旨みが出た汁につるっとした麺をくぐらせると、まるでクリーム系のパスタのようにタレが麺に絡みついてくる。「ホルモン鍋は小さい頃から『とんちゃん』って呼んだりしてよく食べてましたね」ルーツとノウハウを活かしながら、愛され続ける郷土料理としての極みを深めていた。


宴会でも1テーブルに1つずつコンロがあるのでどこにいても鍋に手が届く嬉しさ。最大52名で貸し切れる広々とした宴会部屋も。



ホルモン鉄板だけでなく、しんかいならではの新鮮な「白センマイ刺」や3,300円から気軽に愉しめるコースも。

お持ち帰り用のセットも。麺や豆腐、野菜などもフルセットで揃うのは店頭だけ。各種3,024円〜(2〜3人前) 

田川郡糸田町南糸田813-3
0947-26-5577
16:30〜22:00(o.s 21:30)
水曜日定休(火・水連休一部あり)
インスタグラム@shinkai5577

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スーパー・ハッピー・フラワー

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