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旧筑穂町「肉のもりもと牧場」_全力で生きているから、全力で育てる。

2024.04.10

町が合併されてからも「筑穂」の名を県内のみならず全国へ轟かせる「筑穂牛」。
 35戸あった肥育農家も現在は2戸まで減少する中、森本牧場は筑穂牛が発足した当時からその形式を守り続けている。


近年は肥育に加え繁殖もスタート。牛舎で生まれ育つ自家産牛・運(はこぶ)。先代であり今も餌やりなど行う義彦さんのお父さんと同じ名前だ。

「こちらのさじ加減でこの子たちの生涯が決まる…全力で生きてくれる限り、こちらも農家としての全力を注ぎたいんです」と森本義彦さん。
 ただ大きく脂の乗った牛を効率よく出荷することをゴールとせず、筑穂町の豊かな自然の中で約20ヶ月、ゆっくりとのびやかに健康的な牛を育て送り出すのが筑穂牛生産の中でも大事なポイント。
 「比較的おっとりした性格の牛を入荷して育てます。生涯を全うする中で、いかにストレスなく過ごせたかも、筑穂牛の柔らかくまろやかな肉質を作る決め手になるんです。そのために牛同士のチームワークも重要なんですよ」。
 肉牛の牛舎と聞いて、正直もっと複雑な気持ちになる場所だと思っていた取材までの道中。
 しかし仲間と走り回ったり森本さんとじゃれ合ったりする牛たちを見て自然と湧き上がってくる感情は、ただただ「可愛い…」という愛おしさであった。


「よく食べ、よく眠れるように」と牛舎にはモーツァルトの曲が流れている。有名な血統が多い宮崎・鹿児島などで黒毛和種9ヶ月の仔牛を買いつけ。

森本さんの牛愛は牛舎内に留まらない。
 「お肉博士」1級や「BBQインストラクター」の資格を取得し、肉に合わせた調理方法をマスター。
 約5年前からは、ながのばあちゃんこと長野路代さんの加工場「野々実会」を借りて、日曜日限定(スケジュールはインスタで要チェック)で筑穂牛を使った「ローストビーフ丼」(写真上)をメインに振る舞っている。
 資格保有者としての知識と生産者だからこそわかるさじ加減で調理した筑穂牛…その大きなスライスに覆われたお米も、筑穂牛の堆肥を使用した地元米「運米」という極みの一杯だ。
 そしてその稲藁をまた筑穂牛が食べるという究極の循環。
 「僕にとっての筑穂牛…縁ですね。筑穂牛を通して様々な出会いがあって、そのつながりの中で生きていると実感します」



低温調理器を使ってほどよい熱を加えることで、細胞が分解され旨みが出たロースト筑穂牛をスライス。味付けは肉の味を邪魔しない「バンベン」のモンゴル塩とコショウのみ。ながのばあちゃんの漬物も付いてくる筑穂町満喫ランチ。「ちくほ牛ローストビーフ丼」「ちくほ牛ステーキ丼」各1,800円(プラス100円で温泉卵付き)

飯塚市内野3260(野々実会内)
090-4340-6625
11:30~15:00
インスタグラム@moriboku1129
日曜のみ営業。
事前予約推奨。


【なか六新鮮屋】

実質、肉のもりもと牧場の直売所とも言える「なか六新鮮屋」。森 本さんから直接入荷した様々な部位を、100gから対面量り売りで購入できる。また、部位の中でもより稀少な「幻の筑穂牛ホルモン」の取扱や、筑穂牛を贅沢に使ったお惣菜がズラリと並ぶのもここならでは。




贈答用パッケージでの販売も。インスタグラムでは入荷情報や筑穂牛試食販売の日程などが頻繁に発信されている。


飯塚市阿恵360
0948-52-6183
9:30〜20:00
年中無休(元旦を除く)
インスタグラム@nakarokushinsenya
 

この記事を書いた人

スーパー・ハッピー・フラワー

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