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嘉穂郡・桂川町「合鴨家族 古野農場」_本当に面白いことは自然のなかにある。

2024.06.27

「合鴨農法はいま、アメリカで広がっているようです。中国やフランスでも。ただそれは、私が広めたんじゃなくて、合鴨が『勝手に泳いでいった』のだとよく言っています」。そう軽やかに笑う、古野隆雄さん。1978年から完全無農薬の有機農業に取り組み、手作業での除草に明け暮れること10年間。合鴨農法に出会うも野犬との戦いに3年間。電気柵を取り入れて、囲い込むことで確立した「合鴨水稲同時作」は、全国の有機農家のみならず、アジアを中心に世界中へ広がり続けている。


水田に放たれる前の、生後数日のヒナたち。6月からは古野農場の水田で合鴨たちが泳ぐ風景をみることができる。「釣り堀のようなものじゃなく、日々やっている作業を一緒に行う」有機農業講座も月1で開催しており、新規参加もOK。瑞穂菊酒造とつくる日本酒「一鳥万宝」の新酒会も毎年春に開催している。

ただ、古野さんの心は常に「目の前」を向いている。73歳の今も変わらず1日の大半を田畑で過ごし、農作業と新技術の実践・検証を続けているという。



「合鴨で水田の除草や害虫の問題はクリアできたのですが、水を張らない畑は変わらず除草を手作業で行わないといけない。特に作物を植えている株間の除草は機械化も難しい。2003年からずーっと試行錯誤を続ける中で2016年に松葉箒で除草する方法を思いついて、試したところ手作業だと2時間かかる作業が、1分で出来るようになりました。これを『ホウキング』と名付けて、改良を続けています」。必要な道具は、ホームセンターで手に入るものだけ。総額5000円ほどで自作できる。「今風に言うと、タイパとコスパが抜群でしょう? 特許をとるわけでもないので、誰に真似してもらってもいい技術です」。


次男・泰治郎さんとそのお子さんたち。完全無農薬で有機農業を営む田畑は、子どもたちの遊び場でもある。古野農場がつくる野菜や加工食品は、スーパーASOで購入できる。近隣地域への配達も行っている。

自分と家族のために、お米や野菜をつくる。目の前にある課題に、ひたすら向き合う。過程を楽しむ。その成果が結果的に、世界中の人の役に立つ。古野さんは46年間、一貫している。「人の手を介した情報と違って、自然が持つ情報は全く整理がされていない。答えはどこにもないから、自分で見つけるしかない。そこと向き合っていくことが、誰かが作ったゲームをするよりも、本当は面白いんじゃないかな」



黄金色に輝く麦畑と、稲の苗の間に立つ古野さん。「稲と麦が同じ場所で栽培できる気候と風土は、実は世界的にも珍しい。農家は、風景をつくる仕事でもあります」


嘉穂郡桂川町大字寿命824
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この記事を書いた人

ババケンタ

チクスキ(推定)4代目編集長です。田川・猪国に暮らしています。長崎〜北九州〜岡山〜東京を経て田川に移住しました。学生時代は小倉競馬場がキャンパスの眼の前にあったにも関わらず、公営ギャンブルの類には一切手を出さなかったという強靭なメンタルを持ち合わせています。

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