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DOCTORS INTERVIEW VOL.11

2015.10.08

おおた歯科・小児歯科


國本 俊雄 先生

「スポーツと歯科障害の関係、マウスガードの効果とは」

はじめに

暑さも一段落した秋は過ごしやすく、そして様々なことに挑戦しやすい季節でもあります。よくスポーツの秋と表現されますが、特に近年、健康志向によりスポーツ人口の増加がみられるようになりました。またスポーツ界では競技の多様化ならびに競技レベルの高度化と相まって、スポーツによる外傷は増加傾向を示しています。そのため、この現象と平行して安全性の向上も要求されています。

 

 

スポーツによる外傷の現状

スポーツ外傷はコンタクトスポーツの代表とされている、ラグビーやアメリカンフットボール、そしてボクシング、空手などの格闘技において事例は多くみられます。次いで野球、サッカー、バスケットボールにも発生しやすく、年齢別では10歳代が最も多く、次いで20歳代に多くみられます。このことは、体育の授業やクラブ活動を盛んに行う年齢層であることからもうなずけます。また、発生部位では30%以上が歯科障害で他の部位と比べて最も多いのです。そんなアクシデントから歯及び歯周組織を保護し、口腔外傷を減じることを目的に装着されるのが、スポーツマウスガードです。

 

 

スポーツマウスガードについて

マウスガードとは口の中の保護装置で、マウスピース、マウスプロテクターなどとも呼ばれています。歯科領域においてマウスガードはスポーツ外傷の予防にきわめて重要な役割を果たしています。スポーツによる口の中のケガの多くはマウスガードを装着することにより防止、軽減することができます。マウスガードは口の中のエアーバックなのです。そして、今後もさらにこの効果が期待されることでしょう。

 

マウスガードの効果

マウスガードは外力から顎と口のまわりへの衝撃をやわらげ、外傷の予防をしたり、ダメージを軽くします。 ①歯の破折や脱臼(抜けること)の防止 ②舌、口唇、頰、歯肉などの口腔軟組織の損傷の防止・軽減 ③顎の骨や顎関節の損傷の防止 ④食いしばりによる歯の欠け、ヒビの防止 ⑤顎を介しての衝撃による脳震盪や頸椎損傷の防止・軽減 ⑥装着している安心感により積極的なプレーができる、リラックスして集中力が増すなどの心理効果や装着により筋力や瞬発力が向上する、といった報告もあります。 すべてのケガを完全に予防することはできません。吸収できる衝撃の限界を越えた場合、マウスガードを装着していてもお口のケガは起こります。ただし、スポーツマウスガードの装着により、そのダメージを最小限に抑えることは可能です。

 

 

マウスガードの種類

マウスガードにはスポーツ用品店などで市販されている既製品と歯科医院で型をとって作成するカスタムメードのものがあります。既製品ではあらかじめ概形がきまっており、お湯で軟化し、口の中に入れ手早く歯に押し付けて作ります。カスタムメードと比べると歯科医院に行かず自分で手軽にできるのですが適合の悪さは否めず外れやすく、話をしづらかったり、つばを飲み込んだり吐いたりしづらいといった意見が聞かれます。これに対して、カスタムメイドは歯科医院で歯型をとって精密に作成するため適合に優れ、外れにくく、話しやすいという特徴があります。適合の良さはすなわち装着時の快適さにつながり、安心してスポーツに集中することができます。

 

 

最後に

現在、マウスガードが完全義務化・一部義務化されているスポーツもあります。選手自身の自覚やマウスガードに関する知識が普及し始めていることもあって、その装着率は少しずつではありますが上昇しているのが現状です。しかし、装着が義務づけられているスポーツにおいても使用されているマウスガードの大部分は市販のものです。大切な歯を守り、安心してスポーツに集中するためにも歯科医院で作る適合性や装着感に優れたカスタムメイドのマウスガードの普及が望ましいといえます。

 

 

 

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