2026.04.03
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by CHIKUSKI WEB 編集部
おおた歯科・小児歯科
國本 俊雄 先生

「小さなお子様が気をつけたい歯の外傷について」
歯の外傷は小さなお子様の遊びが活発化する時期に一気に増えます。また、小学校の6年間にほとんどの乳歯が永久歯へと生え替わっていきますが、口だけでなく身体の成長とともに、活動はより活発になり、スポーツや遊びの中の事故でけがをする機会も増えるでしょう。交通外傷のような重篤な事例を別にすれば、日常生活で起こる口の外傷のほとんどが前歯の部分です。外傷を訴えてくる患者様の多くは子どもですが、大人の方もその例外ではありません。
①見た目はなんともない
見た目にはなんともなくても障害の原因になることがあります。歯が打撲などの力を受けると後に歯の神経が死んでくることがあります。それも打撲を受けた直後ではなく期間が経ってから症状が出ることが多いのでしばらくは経過観察が必要です。 また、歯の根が吸収する(根が短くなる)場合があります。これは、時間が経って長年にわたり進行する症状なので、すぐにはわかりません。しかし、根の長さが短くなってしまうと歯を支える力が弱くなります。
②歯にヒビが入った
ヒビにも色々な程度があります。エナメル質に限局した軽度なヒビに関しては症状もないでしょう。しかし象牙質に達するヒビの場合は、歯がしみてきたりしますので、症状に応じた適切な処置が必要です。
③歯が欠けた、折れた
転倒や衝突により強い衝撃をうけると、歯が欠けてしまいます。欠け方が部分的で軽度な場合は痛みなどの症状は出にくく、神経や歯周組織への影響も少ないことが多いのですが、欠けた部分から神経が感染をおこしたり後で歯の変色や歯肉の腫れが生じる可能性がありますので歯科医院を受診して詰めたりかぶせたりという処置をするとともにしばらくは経過を見る必要があります。 歯が欠けて神経まで達するような重度の場合は炎症が起きて強い痛みや歯肉の腫れなどを引き起こすことが多いので、早めの処置が必要です。 欠け方に応じて神経の処置を行って、最終的に歯をもとの形に修復します。永久歯でも神経の処置をした後は経過を見ていく必要があります。乳歯の場合は次の永久歯に生え替わるまで定期的にチェックをしていくことが望まれます。
④歯がグラグラになった(脱臼、歯根の破折)
歯を打ったことで、歯がグラグラになったり、周りの歯肉から出血することもよく見られます。歯の動揺は、歯を支える骨の部分がダメージを受けた場合に起こりやすいのですが、歯の根が折れた場合にもグラグラになります。 動揺が軽度の場合は受傷した歯をできるだけ安静にして様子をみますが、明らかな動揺が見られる場合は、両脇の歯と固定して安静を図ります。また、頻度は少ないのですが、歯根の破折や歯槽骨骨折で歯が動揺している場合は、その歯が保存できるかどうか診断していく必要があります。場合によっては抜歯になる可能性もあります。
⑤歯の位置がずれた、めり込んだ(転入、陥入)
乳歯や生えたての永久歯の場合、外傷による歯の位置のずれや歯のめり込みが比較的多くみられます。治療としては、歯をもとの位置に戻し(整復)、両隣の歯と連結して安静を図り(固定)、歯の周りの組織の回復を待ちます。 一方、低年齢児の乳歯や生えたての永久歯がめり込んだ場合は歯根がまだ未完成なため自力で再び生えてくることが期待できるので、無理にもとの位置まで戻さずに様子をみたりします。また乳歯の位置がずれたり、めり込むことで、乳歯の下で育っている永久歯に影響がでることもあります。永久歯の生える方向や、歯の形・色などに影響が出る可能性があるので、永久歯への生え替わりまで定期的に歯科医院でのチェックを受けることが望まれます。
⑥歯が抜け落ちた、無くなった(脱落、喪失)
歯が抜け落ちた場合、条件が良ければ再植が試みられます。受傷から歯科医院の受診するまでの時間が短く、歯の周りの組織の損傷が軽度で、脱落した歯の保存状態がよいほど、再植の予後も良好になることが期待されます。脱落した歯がなくなってしまったり、再植が困難だったり、歯根の破折で抜歯になってしまった場合、歯並び・噛み合わせやその他の状況に合わせて適切な治療が必要です。 外傷を受けたら、できるだけ早く歯科受診しましょう。早ければ早いほど、歯や歯の神経を残せる可能性が高くなります。
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