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嘉穂郡・桂川町「ノガミファーム」_農業も、地域ももっと楽しくなる。

2024.06.09


五感で楽しむ農業」をコンセプトに100 種以上の作物をつくる農家。(左から)研修生の池上さん、古野さん、代表の野上さん、Nogami Farm Uphill Store敷地内にある〈波乗台所〉オーナーシェフのナミさん。


ハーブやエディブルフラワー、無農薬で育てたアスパラガスなど年間で100〜200種の作物をつくりながら、週末は直売所でコーヒーを淹れ、毎週ポッドキャストを収録。さらには桂川町のローカルフードマップを企画・発行したりと、〈ノガミファーム〉野上伸太郎さんの活動は「農家」の枠をいくつも超えている。私たち編集部が「最近、桂川町がなんだか面白いぞ…!」と感じる輪の中心的存在ともいえる野上さんに気になっていた来歴を聞くと「農家になるとは思ってもみなかったし、桂川町にきて最初の4年ほどは、知人もおらず世界から消えたような孤独感でいっぱいでした」と意外な一言。一体どういうこと!?


直売所で野菜を受け渡す野上さん

「7年勤めた会社を半ば衝動的に辞めて、妻の実家がある桂川町で、おやじさん(義父)の農業を手伝いはじめたのが11年前。強い意志や目標があるわけでもなく漫然と過ごしていました」。後ろ向きにはじめた農業だったが、徐々にその魅力にのめりこんでいったそう。「自分が作った野菜がはじめて目の前で売れたときの感動は今でも鮮明に覚えてます。1個数百円ですが、本当に嬉しくて。全部、そこからの積み重ねです」。さらなる転機となったのは「遊んでばかりいた」20 代前半からの知人の一言だった。「福岡市内でカレー屋をやっている友人から『コリアンダーとかハーブは作ってないの?』と。料理人の友だちが喜ぶような作物をつくりはじめるようになって、農業が表現方法のひとつなんだと気づいたんです」。販売ルートも一軒ずつ紹介が重なり、今では直接販売が9割を占める。


ハーブラボ内のアーティチョーク


難易度が高い無農薬でのアスパラガス栽培にも継続的に取り組んでいる。肥料を植物性のみにする試みも実践中。

自然豊かな栽培環境のなかで、ひときわ「ノガミファームらしい」場所が、「ハーブラボ」だ。多種多様な植物が密集する中、花が咲き、蝶が舞い、楽園のような光景が広がる。「このプルピエは東北やフランスでは食用になりますが、他のところでは雑草です。なんでも、見方次第ですよね」。野上さんの話をきいていると、植物、野菜、農業が、とてつもなく楽しい。「料理人の方々に、インスピレーションを与える存在でありたくて。桂川町の土地が持つ力に気づきはじめたのもここ数年。福岡全体でみても、食の都としてのポテンシャルが物凄くあります。生産者として、その流れをつくる一部になれたらと思っています」


50種類以上の植物が密集する「ハーブラボ」。国内外の珍しい作物が多く、見た目・香り・手触りを含め、五感で楽しめる。 野上さんも「農場内で一番好きな場所」。


すべての源となる湧水。「桂川町の地力あっての農業です」と野上さん。


野上さん発で 界隈がザワついた ナスタチウムの実

【Nogami uphill store】
弥山岳の麓にある、ノガミファームの野菜直売所兼カフェ(営業は土日のみ)。レコードやCDが壁一面に並び、桂川町にゆかりある作家の作品展示・販売や、厳選したコーヒー豆を使用したハンドドリップコーヒーなども楽しめる。




筑豊の農家3名によるポッドキャスト 「RADIN RADIM RADIO」もここで収録。
食や地域、農業をフランクに語り合う音声メディア。桂川町をはじめ、筑豊のローカルゲストも多数出演! 

嘉穂郡桂川町大字土師湯ノ浦4653(ゆのうら体験の杜 横)
土・日のみ営業(第2・4日曜日定休)
10:00〜16:00
インスタグラム@nogami_uphill_store

この記事を書いた人

ババケンタ

チクスキ(推定)4代目編集長です。田川・猪国に暮らしています。長崎〜北九州〜岡山〜東京を経て田川に移住しました。学生時代は小倉競馬場がキャンパスの眼の前にあったにも関わらず、公営ギャンブルの類には一切手を出さなかったという強靭なメンタルを持ち合わせています。

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