嘉穂郡・桂川町「王塚装飾古墳館」_千五百年前のロマンを全身で感じたい。
2024.06.11
「16万基。日本に存在する古墳の数です。今のコンビニよりも多いんですよ」学芸員の長安さんに教えてもらった数に『そんなにあるの!?』と一気に古墳の世界への興味を掻き立てられた。
古墳における日本三大壁画の一つとされ、さらにその中でも唯一無二の装飾範囲の広さ・豪華さから、【日本最高峰】との呼び声も高い王塚古墳。国内で63件しかない、国宝に匹敵する価値の【国の特別史跡】に指定されている。
恥ずかしながら筆者は歴史や史跡に全く明るくない。編集部内には古墳を偏愛する直属の上司もいるのだが、今回は『全く知識のない状態から何を感じるか』をお伝えするべく、知識ゼロの私が取材担当となった。特別に長安さんの解説付きで見学させていただく。古墳内にあった出土品や、発見に至るまでの歴史。それらを辿って中央部のスロープを下ると大迫力の実物大レプリカが現れる。古墳のことを何も知らなくったって圧倒される堂々とした姿に感動する。かがんで中に入れば一気に開ける高さ3.7メートルもある後室。全面の赤、そしてびっしりと壁一面に描かれた幾何学的な模様。なんだかモダンな雰囲気までも感じさせる。使用されている色は6色。これまた国内最多の珍しいものなのだとか。
王塚古墳は様々な地域の古墳の作り方が施されていることから、全国と交流がある人物が眠っていたであろうと推測されているとのこと。ただ、埋葬された人物はもう、長い年月で骨まで残らず真実は謎のまま…等、ここには到底書き尽くせない、次から次へと出てくる王塚古墳の魅力! 謎! ロマン! そのどれもが「すご…」と声が漏れるほどスケールが大きく、当時の人々の熱量を千五百年越しに感じられていることに鳥肌がたった。
筆者のように詳しいことが何も分からなくても、眺めるだけ、入ってみるだけで全身が壮大な歴史のロマンに包まれている感覚を味わうことができる。特別公開は年に2度。全国から人々が集まる国宝は、こんなに身近に存在した。
「考古学は推理なんです。」そう語る長安さん。出土品や古墳ができたとされる時期の人々の暮らしから様々な専門家が考察し続けているが、明確な答えはないのだそう。レプリカや展示品の迫力を楽しむのはもちろん、音声ガイド付きで回ると王塚古墳に関する解像度が段違いとなる。
【2日で千人以上が訪れる特別公開】
壁画保管のため封鎖されている王塚古墳。毎年4月と10月の2度、特別に公開される。超一級の姿を一目見ようと全国各地から2日間で千人を超える来場者で賑わう。
同時開催のマルシェは絶品グルメや体験コーナーも。
館内は一部を除き撮影も可能。じっくり観察してみよう。
嘉穂郡桂川町寿命376番地
0948-65-2900
9:00〜16:30
定休:月曜日(月曜日が祝日の場合翌日)年末年始12/29〜1/3
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