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DOCTORS INTERVIEW VOL.20

2016.06.08

医療法人 恵和会 田川慈恵病院

田中 真理子 院長

「睡眠はこころとからだの健康バロメーター」

●睡眠とこころとからだの関係

だんだんと気温も上がり、季節は梅雨。蒸し暑く、夜も寝苦しい季節がやってきました。心身ともに健康であっても、心地よい睡眠がとれづらい、そういう方も多いのではないでしょうか。  睡眠とこころやからだの健康はとても深い関係があります。気候による寝苦しさは、空調など環境の調整で眠りが改善される場合、特に心配はいりません。しかし、それでも「眠れない」という状況が続く場合、こころやからだに何か不調が起こっているサインかもしれません。

 こころに不調がある場合、例えばストレスを抱えている場合や、うつ病や統合失調症、不安障害などの精神的な病気がある場合、共通して「不眠」という症状がほとんどの方にみられます。また高血圧や糖尿病などのからだの病気がある場合、睡眠時無呼吸症候群やムズムズ脚症候群(レストレスレッグス症候群)など睡眠に伴って呼吸異常や四肢の異常運動により睡眠が妨げられる場合などにも不眠が起こります。

 このように、「眠れない」ことの原因はさまざまで、不眠そのものより、背後にある原因を明確にして、その原因を取り除くことが大切です。不眠には、こころやからだの病気が隠れていることも多く、早めに治療が必要なこともあります。また、不眠だけでなく、原因によっては過眠となることもあり、不眠・過眠を含めた睡眠障害はこころとからだの不調を示すバロメーターと考えられます。

 


●不眠症とは

「不眠症は国民病」と言われるほど、日本人の不眠は多く、ある調査では日本人の5人に1人は何らかの不眠があると答えています。

 不眠症は4つのパターンに分けられます。寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚める「早朝覚醒」、ぐっすり眠れたという満足感が得られない「熟眠障害」です。これらの睡眠問題が1ヵ月以上続き、日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下などの不調を自覚して生活の質が低下するときに不眠症と診断されます。

 下するときに不眠症と診断されます。  不眠といっても、そのパターンによって原因が違ったり、治療が異なったりするので、眠れないという自覚がある場合、自分自身がどの睡眠障害パターンであるのか、確認しておくことも大切です。特に、睡眠薬を使う場合、お薬の種類がそのパターンで違ってきますので、効率よく睡眠薬の効果を得るためにも、どの睡眠障害パターンであるかがお薬を選択する際に重要になります。

 

●「不眠かな?」と思ったら早めに相談を

不眠症は、ひとつの病気ではありません。ほとんどの不眠症には、何らかの原因があります。眠れないことにはちゃんと理由があるのです。ただ、眠れないという感覚には個人差が大きく、睡眠時間も人それぞれなので、睡眠時間が短いことや目覚める回数にこだわりすぎないことも大切です。重要なのは、昼間の生活に支障があるかどうかです。眠れないと感じ、日中に不調が出現する場合、早めに相談することをお勧めします。特に、うつ病などの精神疾患による不眠(または過眠)、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群などは専門的な検査と治療が必要になります。

 当院では、精神科専門としてこころの悩みはもちろん、最近、睡眠時無呼吸症候群の検査機械も導入し、検査ができるようになりました。夜間のひどいイビキ、睡眠中の呼吸停止がある場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと考えられます。日中の強い眠気による事故や心疾患、生活習慣病などを引き起こしやすくなるため、すぐに治療が必要となります。心当たりのある方や心配な方は検査だけでもできますのでぜひ一度、相談に来られてください。

 また、何気ない不安や悩みも放っておくと大きなストレスとなって、精神的な不調をきたすことがあります。「こんなことで…」と思わず、気軽に相談に来てください。

 

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