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DOCTORS INTERVIEW VOL.22

2016.08.08

飯塚記念病院

右:豊永 武一郎 院長
左:豊永 次郎 内科部長

認知症治療の中核として、医療の現場から将来も安心して暮らせる“まちづくり”

―今月のチクスキホスピタルは、飯塚記念病院の院長・豊永武一郎先生と内科部長・豊永次郎先生がご登場。兄弟でもあり、病院をともに牽引するお二人に、日本の社会問題になると懸念されている【認知症】の治療について、聞いてみたいと思います。―

 

あなたは、『2025年問題』という社会問題を知っていますか?

【院長】 団塊の世代の方たちが2025年頃には、後期高齢者(75歳以上)に達することにより、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念されています。これが『2025年問題』です。これに伴って、認知症患者が2025年頃には全国で700万人を超えると厚生労働省が発表。これは65歳以上の方約5人に1人という割合で認知症になる計算です。今の医療体制のままでは、より高度な治療を求め、患者が都心部の病院に集中し、パンクしてしまいます。地方でも認知症をしっかりと治療できる機関・体制づくりが急務なのです。病院同士の垣根を越えた地域医療体制づくりを―、当院はその使命を担うため、県から「認知症医療センター」の認定を受けています。

 

5月より、認知症検査にMRIを導入

【院長】 飯塚記念病院では、認知症の患者に対する治療体制を積極的に推進しています。今年の4月には精神科の救急病棟を増設。これにより救急病床数が60床から108床に増え、認知症患者の入院の受け入れがよりスムーズになりました。また、5月からは認知症の診断にMRI検査を導入。MRIでは、それまで画像の見た目でしか判断できなかった脳の萎縮具合が数値で判別できます。これによって、診断が難しい早期の認知症にも、精度の高い診察が可能になりました。そしてなによりも、次郎先生(内科部長)が2015年8月に本院に内科を開設したことで、精神科だけではなく、内科の視点からも認知症治療に包括的にアプローチできるようになったことが、当院として、とても大きな進歩に繋がりました。

 

認知症を予防しよう

【内科部長】 食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足、喫煙などの生活習慣から起こる病気を生活習慣病と言い、糖尿病・高血圧症・肥満症などが知られています。最近の研究で、これらの生活習慣病が認知症発症に関与している事がわかってきました。特に中年期の糖尿病、高血圧、喫煙は老年期以降の認知症発症を大幅に増やしてしまいます。一方で、習慣的な運動や食事(和食、野菜、乳製品)により認知症発症が減少することも報告されています。中年期から生活習慣を変え、生活習慣病の治療を行っていく事が認知症の予防には必要です。

 

早期の診察が治療のキーワード

 【内科部長】 認知症とは、記憶障害や判断力の低下があり、日常生活に支障をきたしている状態です。早期では食事の支度・買い物・内服薬の管理・金銭管理・電話などの生活の《手段的な行動》に障害が生じます。しかし、これが進行すると食事・歩行・入浴といった《基本的な行動》が困難になってしまいます。現在、わが国では認知症に対して4種類の薬が認可されています。これらの薬剤は認知症を完治させる事は出来ませんが、早期から治療を開始する事で認知症の進行を緩めることは可能です。

 

心配なら今すぐご相談下さい。

【院長】 当院では、受診を迷っている方が気軽にお電話で専門員に相談できる窓口を設置しています。また、外来の方には、問診から栄養士による食事療法などの生活アドバイスも含めた包括的な治療を行っています。当院は地域精神医療の中核として、10年後も安心して暮らせる体制づくりを目指しています。日常生活で物忘れなど認知症の症状が疑われる場合は、せひご相談下さい。

 

この記事を書いた人

CHIKUSKI STAFF

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