機能が美しさになるまでの物語。#3「住居兼オフィス〜混構造の平屋〜」
2023.09.13
いいお店や住居はどのようにして建てられているのか。
今回は鉄筋コンクリートと木造を混合した「混構造」の平屋におけるケーススタディをご紹介。
「建築家は、街を良くしていきたいと思っています。」
「構造次第で家は何年も保ちます。朽ちているように見えてもそれが美しいと思えばその家は生きている。何を持って対応年数とするかは人それぞれですね」
そう語る兵庫県在住の建築家・津田茂さんの建築・S邸が田川に。
住居兼オフィスとして建てられたS邸。
「長い時間を過ごす場所は美しいと思うものにしたくて」
初めて顔を合わせてから1ヶ月も経たないうちにファーストプレゼン、7〜8ヶ月後には施工が始まった。
「初めて田川を訪れた時、いい風が吹いていたんです」
田川で感じた風を活かし、建物全体を風が抜ける構造へ。
「風路舎」と名付けられた。
S邸を語る上で欠かせないのが、鉄筋コンクリートと木造を混合した「混構造」という工法。
空間を広く使うことで両方の良さが生きるため、土地の広い筑豊だからこそ実現する構造として注目度が高い。
「隠すものである構造体が、ありのまま、インテリアになる…私にとって最も美しい建築はそういうものです。そしてそのように装飾を削ぎ落としたものこそが長く残り続ける」
装飾のないさりげない景色にこそ、そう魅せるディティールが込められているのだ。

「コンクリートの壁の上に梁が乗っているだけに見えるでしょう?
その”だけ”っていうディティールに実は緻密な計算が詰まってるんです」
また、必要最小限の機能で構成するため壁には断熱材を使用していない。家主・Sさんは
「断熱材不使用はデメリットでであるとも言えますが、暑いときは汗をかきながら温度や湿度を感じ、調整する…そんな人間らしい生活に豊かさを感じます」
都会からUターンし、地元に事務所を持つ若手建築家も多いという昨今。
「建築家は街を良くしていきたいと思っています。そんな者同士が出会い、良いものを建て、街が盛り上がればいいですよね」
【ARCHITECT DATA】
津田 茂(つだ しげる)
1970年 東京都生まれ。
2002年「T-Square Design Associates」を設立、代表を務める。
現在は大阪を拠点として活動中。
提供:タウンストア
『まちの相談コミュニティ』タウンストアは、みんなが集まりたくなるようなスペースを創造します。
TEL. 090-9601-9590(代表)