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筑豊でartする #8「想いから始まった物語 Ryan Andrews / Ai Ueno」

2024.03.10

筑豊でartする。筑豊には昔から多くのartが存在しています。このコーナーでは、筑豊地域のアーティストが集ったNPO法人アーツトンネルが独自の視点で、筑豊にあるartを紹介していきます。


筑豊でartする #8

想いから始まった物語

Ryan Andrews / Ai Ueno





筑豊の森でartする


筑豊にはいくつもの森がある。アンドリューズ・ライアンさんとウエノアイさんは3人の子どもたちと犬のラッキーと一緒に家の裏の森をよく散歩する。嘉麻市で暮らすライアンさんが描いた漫画『This Was Our Pact』は、アメリカで最も権威のある漫画賞の一つであるアイズナー賞にノミネートされ、現在、10カ国以上で出版されている。アイさんは、20歳から絵の展示を始めて以来、ずっとアーティストを生業として暮らしている。この物語のはじまり、アメリカ出身のライアンさんと、嘉麻市出身のアイさんの出会いにはartがあった。

誰も知らない宝物の漫画

ライアンさんは幼い頃から漫画が大好きだった。学校にいる他の子どもたちと同じようにアメリカン・コミックスを読み、物語に出てくるヒーローに憧れた。ある時、友人が教えてくれた日本の作品に夢中になった。漫画では、話の展開を効果的に伝えるコマ割りや刺激的な展開に驚いた。また、アニメでは、声、音楽、必殺技などの言葉に衝撃を受けた。
その作品は『ドラゴンボール』だった。当時のアメリカではまだ本屋の片隅にしかない存在だったそうだが、日本の『ドラゴンボール』は、それを勧めてくれた友人とライアンさんにとって、自分たちだけが知っている宝物のような存在だったそうだ。

人生は一度きり

美容師の専門学校に就職したアイさんは、就職を考えた時、ふと「このまま美容師になっていいのか?」と疑問を持った。「一度きりの人生なのだから、やりたいことに挑戦したい」そう思ったアイさんは幼い頃から大好きだった「絵を描くこと」で生きていこうと決意した。まずはアーティストの世界や作品を知るため東京と大阪に滞在し、知人の人脈を頼りに、作品を展示しているお店のオーナーやアーティストたちに出会った。そこで様々な学びを得て、福岡に戻ったアイさんは、絵を描き、多くの作品を制作し、お店やギャラリーと交渉し、それらの作品を様々な場所で展示し、販売した。

物語からartが生まれる

アメリカでの仕事を辞めたライアンさんは、ふと日本語を学ぼうと思い立ち来日した。偶然立ち寄った福岡市内のギャラリーで、大きな絵に囲まれているアイさんを見つけた。それが二人の出会いだった。当時、自分のことを日本語でうまく伝えられなかったライアンさんが、自分の表現をアイさんに伝えるため、言葉を用いない『記憶の森』という漫画を描いた。初めて作ったその作品は、様々な人に伝わり、ライアンさんの大手アニメ制作会社からの背景画制作のお仕事や漫画の制作に繋がっている。「絵を描くこと」で生きていくという想いから始まったライアンさんとアイさんの運命的な物語。この物語の中から、これからも多くのartが生み出されていくだろう。

【PROFILE】

Ryan Andrews アンドリューズ・ライアン
作家&イラストレーター
福岡県嘉麻市在住。妻と3人の子どもと犬、そして、騒がしい鶏たちと一緒に暮らす。2019年に完成した漫画『This Was Our Pact』は、アメリカで最も権威のある漫画賞の一つであるアイズナー賞にノミネートされた。

Ai Ueno ウエノ アイ
絵描き&イラストレーター
独学で絵を描き始め、2005年より福岡市を中心に東京や大阪でも個展やイベントでの出店活動を行う。遊び心のままに創り出す作品は自身そのもの。絵だけにはとどまらず、生活に寄り添ったものづくりをテーマに布ぞうりやぬいぐるみ、雑貨等を制作している。


【CHECK IT OUT!】
いいかねPalette2階廊下にあるアキバコ通り。開館時間内であれば、誰でも、アンドリューズ・ライアンさんとウエノアイさんの絵を観ることができます。ライアンさんが描いた絵にはストーリーがあるのだそう。描かれたキャラクターを観ながら、ぜひ、ストーリーを想像してみてください。また、アイさんは「学校での思い出」をところどころに描いています。可愛らしい絵を楽しんで頂きたいです。


 

この記事を書いた人

NPO法人 アーツトンネル

アーツトンネルは、筑豊にアーティストの拠点を作り、新たな文化が生まれ、育っていくような場所を目指したNPO法人です。美術家や写真家、振付家などの肩書きを持つ11人で構成されています。ホームページはこちら

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