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DOCTORS INTERVIEW VOL.73

2021.04.06

●健康寿命を延ばしましょう

私たちの寿命は延び続け、今では人生90年に手が届こうとしています。しかし一方で自立した生活を送れる期間「健康寿命」が平均寿命より男性は約9年、女性は約12年も短いことが分かりました。つまり、支援や介護を必要とするなど健康上の問題で日常生活に制限のある期間が平均で9〜12年もあるということです。誰もが長生きすることを願っていますが、長生き=健康とは限りません。晩年は「寝たきり」や「要介護」、「不健康」の状態になってしまう場合があります。ただ単に長寿を目指すのではなく、健康寿命を延ばし不健康な期間を少しでも減らしたいものです。生涯に渡ってイキイキと生活をするために、元気なうちに健康寿命を延ばすための取り組みを始めることが大切です。

 

●噛めることが健康寿命を延ばす

平均寿命と健康寿命の差である「不健康な期間」、この短縮に大きく影響するのが口腔機能であることが分かっています。近年は「噛むこと」「飲み込むこと」「会話すること」に代表されるお口に関する歯の健康と全身疾患の関係が明らかになってきていますが、歯がなく噛めなくなることによって「要介護」の原因疾患を発症するリスクを高めることが分かっています。例えば、咀嚼機能の低下はしっかりと食べ物を噛めないことから、消化器に負担をかけます。そればかりか脳の活動低下をもたらし、認知症の発症や重症化に影響しているとされています。また歯周病は心臓病や糖尿病、脳血管障害など多くの全身疾患を悪化させることもわかっています。このように歯が噛めなくなると認知症や脳卒中、心臓病、転倒、糖尿病、肥満のリスクが高くなりますが、この多くが要介護となる主な原因になっています。介護が必要となる疾患を防ぎ、健康寿命を延ばすためには、なるべく多くの歯を残し「噛める」ことが大切です。虫歯や歯周病になって痛みが出てから歯科を受診するのではなく、予防のための歯科受診が重要です。

 

●健康維持は「オーラルフレイル」を意識して

「オーラルフレイル」という言葉をご存知でしょうか?
オーラルは口腔のこと、フレイルとは虚弱のことで、「口腔機能の衰え」を意味し、早期の重要な老化のサインとされています。老化によって自然と全身の機能は衰えていくものですが、「噛む」「飲み込む」「話す」などの口腔機能もまた加齢とともに衰えるために食べこぼしや軽いむせ、固いものが噛みにくい、滑舌の悪化、口の中が乾くなどの症状が現れます。噛む力が衰えて固いものが食べにくくなると、やわらかいものばかり食べるようになり、噛むために必要な筋力はさらに低下し、さらに噛む力が衰えるといった悪循環に陥りやすくなります。また滑舌の悪化のために発音や会話にも支障を感じるようになり、コミュニケーションが不十分になっていくという社会的側面の問題も発生します。オーラルフレイルを放置することが、心身の衰えを加速させてしまうのです。オーラルフレイルの予防は身体と精神、両方の健康維持に影響するものとして、意識的に取り組むことが重要だと言えるでしょう。

 

●「オーラルフレイル」を予防しましょう

私たちの体はすべて自分の食べたもので形成されています。だからこそ、口腔機能が衰えるオーラルフレイル予防は全身の健康への第一歩と言えるでしょう。またオーラルフレイルの段階でも適切に対処すれば口腔機能を改善することができます。まずは歯を失う大きな原因となる歯周病や虫歯のケアを行ってください。そして、よく噛んで食べ、よく話すためにも毎日のセルフケアはもちろん、歯科医師による定期的なプロフェッショナルケアでしっかり予防し、これからの人生100年時代に向けて毎日おいしく食べられるお口と歯を目指しましょう!

 

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