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直方市・頓野「筑前 しまや」_人集まるところに「しまや」。 味を通して語る、筑豊のこと。

2024.05.24

国道200号沿いでにっこり笑う少女の看板に見覚えのある方も多いのではなかろうか?「おとどけ料理」「仕出し屋」「きみちゃんのからあげ」「FROZEN FOODS」など、お店の外観には幅広いワードが散りばめられている「しまや」。その営みの中心には、一貫した思いがあった。



「A&Aフライドチキン」を 君は覚えているか?

「始まりは昭和42年に創業した唐揚げ屋です」そう語るのは2代目・島添耕治さん。古町商店街に掲げた「A&Aフライドチキン」の看板は、筑豊のみならず福岡市内にも広がり、当時福岡のお茶の間に浸透し始めていたフライドチキン文化を更に後押しした。
「唐揚げのタレ作りはずっと私の仕事なんです」と頂いた名刺には「島添貴美」・・! 店先の少女の看板でおなじみ「きみちゃんのからあげ」のきみちゃんは、耕治さんの母であり初代・嘉満さんの妻である貴美さんであった。(ご本人登場感がすごい!)プリッとジューシーな食べごたえのあるきみちゃんのからあげはご飯のおかずとしてはもちろん、おやつとしてもぺろっと食べられるシンプルな味付けで大人気。57年経った今でも、そのレシピを知っているのは貴美さんただ1人なのだそう。

唐揚げにとどまらないニーズ。 仕出し屋からテイクアウトへ。

「人が集まってこその仕出し屋にとって、コロナはかなり痛手でした」。同時期に嘉満さんも他界するなど、経営的にも精神的にも、しまやは窮地に追い込まれていた。
そんな中、2代目となった耕治さんは、仕出し屋から中食、テイクアウトに舵を切った。急速冷凍機を導入し、唐揚げをはじめコロッケや混ぜご飯の元、サバの味噌煮や鯛のあら炊きなど、出来立ての美味しさを保ったまま冷凍。懐かしく美味しいきみちゃんの味をそのまま閉じ込めた「きみちゃんシリーズ」としてネットでの販売もスタート。冷凍食品の便利さはそのままに、うま味調味料や添加物不使用で安心できる手作りの味が食べられるとの評判が徐々に広まり、最近では大分や長崎、愛知の高級スーパーからも入荷の問合せが入るように。

地域に寄り添いながら、 地域の魅力を伝えたい。

新たな試みがもう1つ。貴美さんをモデルにした「きみちゃん」の生みの親・河村陽介さんに絵と文章を依頼して、筑豊の昔話を絵本や紙芝居として出版。筑豊中の学校に寄付する活動を進めたり、YouTubeで全世界に発信したりするなど、超エネルギッシュに活動。ストーリーだけでなく、その土地で取れた素材や調味料を使った「かしわ飯の具」と「バラ寿司の具」を「しまやの筑豊物語シリーズ」として販売し、味覚を通した地域の魅力の発信もスタート。他にも昭和半ば頃から廃止になっていた直方・多賀神社の秋祭りに合わせて柿の葉寿司を食べる伝統を、当時の柿の葉寿司を再現して復活させたり…幅広い営みの中心には、地域に寄り添いながら、その魅力を外へも発信し続けていきたいという一貫した思いがあった。
「ここから、ここからです。筑豊のことをもっと知ってほしいですね」。作るものや歴史は違えど、チクスキ編集部として同志・先輩のようなシンパシーを感じた。

直方市頓野3884-2
0949-26-2300
9:00〜18:00
無休
インスタグラム@shimayanogata

この記事を書いた人

スーパー・ハッピー・フラワー

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