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DOCTORS INTERVIEW VOL.94

2023.01.06

「妊娠中・産後のメンタルヘルスケアについて」

 妊娠・出産は、女性のライフスタイルの中でも大きなイベントのひとつです。母親になる、母親になった、という喜びを自覚する一方、育児の不安、子ども中心の生活に対する当惑など、肉体的にも精神的にも負担のかかる時期を迎えます。このような、妊娠中、産後の時期には様々な心の変化が起こり、精神的不調をきたすこともあります。


●妊産婦のメンタルヘルスの不調

 〝マタニティブルーズ〟〝産後うつ病〟という言葉を聞いたことがあるかもしれません。マタニティブルーズは、出産後の女性の30~50%が経験すると言われ、産後数日から2週間程度の間にちょっとした精神症状が出現します。多くは、ふいに涙が止まらなくなったり、イライラしたり、落ち込んだりします。ほとんどは、症状は一過性で産後10日程度で軽快するのであまり心配はいりません。
 一方、産後うつ病は、気分の落ち込み、楽しみや興味の喪失、自責感などの症状が産後3か月以内に出現し、マタニティブルーズが1~2週間程度でおさまるのに対し、症状は2週間以上持続します。出産後の女性の約10~15%が発症すると言われています。産後に限らず、妊娠中から不安やうつの問題が起こっている場合も少なくないため、妊娠中からケアを行う必要があります。

●妊娠中・産後にメンタルの不調を感じたら

 先日、保健所にて研修会が行われました。参加された助産師さんや保健師さんの話では、精神的不調がある妊産婦さんがいるけれども、精神科や心療内科を受診したほうがいいのか分からない、受診したほうがよさそうだけど、受診に抵抗がある方が多い、といった問題点が上がってきました。確かに、出産後、赤ちゃんのお世話をしながら自分のことで病院を受診する余裕がないかもしれません。また、受診してどういうことをするのか不安、という気持ちがあるかもしれません。
 妊娠中、産後とも一人で抱え込むことが一番よくありません。だれかに話すこと、相談することで心が軽くなり、不安や苦しみを共有してもらうことで安心感が得られます。まずは、身近な人がいればその方でもいいですし、いなければ助産師さん、保健師さんに相談してみてください。
 
そして、当院でもまずは不安な気持ちや悩みの相談をするだけの受診も受け付けています。必ずしも診断がついたり、お薬を飲まなければいけないわけではありません。お薬が必要な場合も、漢方薬など、胎児や授乳中の赤ちゃんにも影響の少ないお薬を選択して処方しています。コロナ禍で、人と繋がりにくくなって、孤立しがちな社会の中で、出産、育児の不安はますます大きくなっています。当院では、感染対策もしっかりしていますので、お気軽にご相談ください。

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