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創業1972年。飯塚・本町の「喫茶 楡」が変わらず、ただ続いていくことの尊さ。

2025.06.20


飯塚・本町には、まちの文化財ともいえる喫茶店がある。創業は1972年。





壁面から天井へのアール、木を用いた繊細な設え、弧を描くカウンター、旅情が漂う窓側のテーブル席etc...あまりにも良い空間は、創業時からの意匠のまま。




現在お店を切り盛りするのは、2代目マスターの野村桂一郎さん・陽子さんご夫妻だ。「父が23歳のときに、祖母とはじめたお店で。もともと家具屋を営んでいたこともあって、内装や空間づくりには特にこだわったみたいです」。




店内にはカウンターが8席、4人掛けのテーブル席が3卓。壁面から天井にかけての曲線に包まれる窓側の席は特に至福。




16年前、大規模な火災でお店の大半が焼けてしまうが、先代と桂一郎さんがとった選択は「元通りの内装を忠実に復元する」ことだったそう。




「常連さんあってのお店ですし、変わらないことのほうが大事かなと」。十代の終わりから20年以上、お店に立つ桂一郎さん(生まれてこの方スマホを持ったことがない!)による料理や珈琲も「ずっと変わらず、特別なことはしていないですよ」と軽やかに語るが、どれも一朝一夕では追いつけない、心の琴線に触れる味わいだ。





クラブハウスサンド(単品900円)のほかハワイアンサンドやフライドライス、カレー、カツ丼など多彩なランチメニューも魅力。珈琲豆は先代の頃から仕入れている焙煎士のもの。



「特別なことは何もしていない」のに真似ができない名物のオムライス(単品650円、セット950円)。


幼稚園からの幼馴染で、カウンターとホールを担う陽子さんも、名前の通り、太陽のようにあたたかい。ふたりが口を揃えて、何より大切なのは「毎日楽しく、続けていく」ことだという。楡が続いてくれるかぎり、本町はいいまちだと、心から思う。



<喫茶 楡>
住所:飯塚市本町11-27
電話:0948-22-1033
営業時間:10:30〜18:30 ※変動あり
店休日:水曜

 

この記事を書いた人

ババケンタ

チクスキ(推定)4代目編集長です。田川・猪国に暮らしています。長崎〜北九州〜岡山〜東京を経て田川に移住しました。学生時代は小倉競馬場がキャンパスの眼の前にあったにも関わらず、公営ギャンブルの類には一切手を出さなかったという強靭なメンタルを持ち合わせています。

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